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2025年問題とは? 事業承継の課題

日本企業の9割以上を支える中小企業の事業承継において問題になっていることがあるのはご存知でしょうか。現在の状況を放置すると中小企業の廃業に伴い、2016年~2025年の間に約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われるといわれています。

この問題に対して、どのように取り組んでいくのかがとても大切になります。

今回は2025年問題について解説していきます。

2025年問題とは

2025年問題とは、第一次ベビーブームで生まれた団塊世代が75歳以上となり、日本が超高齢化社会に突入するとされる年代で、高齢化社会に起因するさまざまな問題のことを指します。 医療費・介護費・年金のような社会保障の面で大きな問題となることが予想されています。事業承継についても2025年問題の影響を受けるとされていて、中小企業や小規模事業者の事業承継問題としても認識されています。

事業承継問題としての2025年問題では、経営者が70歳以上の企業が約245万社まで増加し、そのうちの約127万社が後継者不在による廃業・倒産の危機に直面するであろうと予測されています。

事業承継問題に何の対策も講じられずに127万社が廃業となれば、約650万人の雇用が失われて約22兆円ものGDPが消失するという大変な経済的損失を被ることになります。日本政府は、事業承継問題や2025年問題の対策として、相続税や贈与税で優遇が受けられる事業承継税制や、後継者がいない企業向けに第三者承継を支援する政策などを展開しています。

事業承継を行わずに廃業する企業の特徴

2025年問題の課題として、企業の廃業をどのようにして防いでいくのかがとても重要になります。高齢となった経営者が廃業させずに事業を継続していくには、子供や孫といった親族や社内の従業員、第三者企業への事業譲渡といった事業承継を行っていく必要がありますが、事業承継を行わずに廃業していく企業も存在します。

廃業してしまうのはなぜか、事業承継を行わない企業の特徴を見ていきましょう。

【後継者の不在】

当然ですが、企業に後継者がいなければ廃業に追い込まれてしまいます。後継者不在による会社もしくは事業の廃業は、事業承継問題の中でも特に深刻な問題とされています。

このように後継者が見つからない場合には、M&Aや事業承継マッチングサイト等を利用した事業承継方法を検討しましょう。事業承継を行いたい会社に価値や魅力がない場合、M&Aは上手くいかずに廃業となってしまうケースもあるため、必ず廃業を回避できるとは言えません。

【経営者・従業員の高齢化】

高齢化が進む以前は、経営者や従業員が病気などによって働くことが出来なくなっても若手の後継者や従業員が経営やノウハウを引き継いで事業を存続させることが出来ていました。しかし、少子高齢化社会により人口が減少し、若い人材の雇用が難しくなっております。

経営者や従業員の技術やノウハウを引き継ぐ人材がいないために廃業を選択せざるを得なくなっているのです。

2025年問題:このままだとどうなる?

高齢化社会が進んだ先にある2025年問題によって、事業承継を行うことが出来ずに廃業に追い込まれる中小企業が増加することが予想されています。

このまま多くの中小企業が廃業してしまうと日本の経済にどのような影響を及ぼすのかを見ていきましょう。

【GDPの損失額】

一定期間内の国内で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値を表す国内総生産(GDP)ですが、事業承継が行われないとこのGDPに大きな影響を及ぼします。

中小企業庁が試算を行った結果、経営者が70歳以上である企業の31%、および個人事業主の65%が廃業すると仮定した場合、2025年までの累計で約22兆円のGDPが失われると予測されています。

【雇用損失】

事業承継問題、2025年問題による中小企業の廃業が影響を与えるのはGDPだけではありません。会社が廃業するということは、その会社で働いていた従業員も職を失うことになります。

中小企業庁の試算では、2025年までに約650万人の雇用損失になることが予測されています。

事業承継を行えずに廃業してしまった事例

2025年問題や事業承継問題によって廃業を選択した企業の中には、黒字経営であったにもかかわらず廃業してしまった企業も存在します。

事例を見ていきましょう。

【東京都墨田区:岡野工業】

東京都墨田区の下町にある岡野工業は、金属加工会社として安定した経営を行っていましたが、2020年に後継者不在により黒字経営ながら廃業を選択しました。

前身となる岡野金型製作所が1935年に創業されて以来、高い技術力でリチウムイオン電池ケースや痛くない注射器「ナノパス33」など、時代の流れを読んだ金型加工を行っており、NASAや世界的な大企業を顧客に持つ優良企業でした。

経営者には2人の娘がいますが、どちらも事業を継ぐ意思はなく、後継者不在の事業承継問題を解決できずに廃業しています。

【東京都東銀座:木挽町辨松】

1868年に創業された木挽町辨松(こびきちょうべんまつ)は、東銀座の歌舞伎座前に本店を構える老舗の弁当屋です。全盛期には、本店以外に渋谷・たまプラーザ・吉祥寺・中目黒・目黒・六本木などにも店舗を展開していました。歌舞伎座の役者や観劇客に長年親しまれてきましたが、2020年、後継者不在という事業承継問題に加えて、新店舗移転の投資負担や設備の老朽化などを理由に廃業を選択しました。廃業前には譲渡先を模索し、話もまとまりそうになっていましたが、新型コロナウィルスの影響で譲渡計画も白紙となり、最終的に廃業を選択せざるを得ない状況となりました。

【滋賀県彦根市:八景亭】

八景亭は、滋賀県彦根市の彦根城に隣接する、玄宮楽々園という庭園内にある料理旅館です。明治時代の1886年頃から料理旅館として営業していましたが、高齢の経営者が病気で倒れたことで経営を続けられなくなり、2017年に約130年の歴史に幕を閉じました。

廃業前に後継者を探しましたが適切な後継者をみつけることはできず、また、江戸時代に建てられたとされる建物自体の老朽化などにより経営の継続は困難であると判断しました。

八景亭のように、これまで元気だった高齢の経営者が病気で倒れると、突然、事業承継問題が顕在化するケースがあります。円滑な事業承継のためには、早めに対策を講じておくことが重要です。

2025年問題を回避するための事業承継対策

2025年問題が発生した場合、日本の経済にとても深刻な損失をもたらしてしまいます。

事業承継問題も同じように予測されており、事業承継を確実に成功させ、廃業に追い込まれてしまう企業を減らしていくことが重要になります。

会社を廃業させずに継続していくには先を読んだ事業承継を必要とします。

詳しく解説していきます。

【事業承継には時間がかかる】

事業承継を行うためには、まず後継者を探さなければなりません。しかし、経験や技術に加えてリーダーシップなどの経営者としての資質がある人物をみつけることは簡単ではありません。

もし適切な後継者がいなければ、M&Aによる事業承継を検討することになります。中小企業庁は全国47都道府県の事業引継ぎ支援センターで、M&Aを活用した事業承継を支援しています。

M&Aで事業承継を行うにしても、事前の準備や事業承継のスケジュールや計画の策定、相手先の選定など、事業承継には時間がかかります。

後継者となる人物が親族や従業員であっても現経営者のビジョンや経営ノウハウを習得させていかなければならないため、育成にも時間はかかります。

後継者は時間をかけて経験を積んで技術を学び、従業員を引っ張っていくリーダーシップや従業員・取引先・顧客との信頼関係を築かなければ、事業承継後の経営に支障をきたす可能性があります。後継者不在という事業承継問題には無縁でも、後継者育成には時間がかかることを理解し、円滑な事業承継に向けて時間をかけて対策を取ることが重要です。

【M&Aの問題点】

後継者が見つからず、第三者に事業を引き継ぐM&Aを選択した場合には、いかに売却先を見つけることが出来るのかが重要です。

会社自体に魅力や価値がなければ売却先を見つけるのは難しくなりますし、双方の条件が合致しなければ、売却に進むことが出来ません。

M&Aを選択した場合、会社独自の技術力や設備、ノウハウがなければ売却先を見つけることが難しいため、事前に自社の徹底した分析が必要になるでしょう。

【専門的な知識】

M&Aは、事業承継問題を解決するための有効な手段ですが、M&Aにより会社を売却する場合、相手先の選定や基本合意契約締結、表明保証条項の決定などを行わなければならず、専門的な知識が求められます。

2025年に向けて経営者の高齢化が進むなか、経営を継続しながら独自の力でM&Aを実施することは簡単なことではありません。円滑に事業承継を行うためには、専門家への相談が効果的です。専門家への相談やサポートは可能な限り前向きに検討しましょう。

【新時代の技術】

人材不足の解決という面で、産業ロボットやITの導入を行うことも効果的です。

現代の日本では、働き方の変化により、加速的にITツールの導入が進んでいます。

これにより、人手不足を解決していく流れが強まっており、業務の複雑化、残業の減少などにより、若い世代の離職率の低下等による企業の存続が期待できます。

【社内改革】

今後、数少ない若い人材を育成し、離職率を下げていくには社内の体制の改善を検討する必要があります。とくに拘束時間や働き方は現代の流れに沿ったものにしていくべきなのは明白です。従業員が働きやすく、上司との交流も積極的に行えるような風通しのいい企業へと改革をしていきましょう。

2025年問題まとめ

以上、少子高齢化に伴う2025年問題について解説しました。

日本経済を支える中小企業が廃業に追い込まれてしまわないように、徹底したサポートや若い世代の育成が重要になります。また、事業承継に関する専門家や専門サイト等がより充実していくことで、後継者探しが容易になり、企業の存続を行えるようになれば問題解決への一助となるでしょう。

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