動物病院の事業承継はM&Aによる第三者事業承継がオススメ!メリットや特化サービスを紹介
高齢化や核家族化の影響により、現代社会においてペットの存在意義や価値は急速に高まっています。そのため、少しでも長くペットと一緒に過ごせるよう健康や長寿を願う家族は増え、動物病院に対するニーズは増加しています。しかし、動物病院業界は、他の一般的業種に比べると事業承継できずに廃業する割合が多い業界です。そのため、動物病院は社会のニーズに応える意識を持って事業承継を行う必要があります。今回は動物病院の事業承継について解説します。
動物病院の事業承継とは
動物病院の事業承継の場合、親族や自院で働いている勤務医以外の第三者の獣医師に事業を売却・継承を行う事で病院を存続させる、第三事業承継の形を取ることが多くなってきています。
事業承継とは、現在の経営者が会社や事業を後継者に引き継ぐことです。事業承継は多様化が進んでおり、40年前は8割以上が親族による事業承継をしていましたが、現在では親族や従業員以外に事業承継する第三者事業承継の割合が6割となってきています。
事業承継は、経営権や資産、技術や技能、ブランドなど全てが後継者へ引き継がれるため、現経営者は完全に退任することになります。
つまり、動物病院の代表者である前院長が後継者である他の獣医師に院長への引き継ぎを行ったものの、実権は前院長が握っている場合、事業承継したとはいえません。
動物病院の事業承継は一般的な職種の事業承継に比べてハードルが高い
動物医療は社会的ニーズが高いため、多くの院長は特定の年齢でリタイアすることなく高齢になっても現職を継続しています。そのため、引退・廃業、事業承継を決断する前に他界してしまい、家族が廃業措置を取らざるをえないケースが多いです。
そうならないためには、事業承継への準備や決意を早めにしなければいけません。しかし、動物病院の事業承継は、一般的な職種の事業承継に比べてハードルが高くなります。
親族内承継
親族内承継は相続という形で譲渡を行うことができるため、資産移転手続きなど様々な契約を締結することがなく、他の方法よりも簡易です。また、後継者教育期間を十分確保できるため、スムーズな引き継ぎが可能となります。
しかし、動物病院の後継者として事業承継を望む人材が親族内に見当たらないケースが増えつつあります。その理由は以下のとおりです。
- 親族内に経営能力と意欲の両方を持つ人物がいるとは限らない
- 動物病院の跡を継ぐ意思を持つ親族が減少している
- 獣医学部への進学および獣医師免許取得が困難
獣医師以外の人物を後継者に選ぶ場合、複数の候補者が現れるため話し合いが難航する
内勤医(従業員)への事業承継
内勤医への事業承継は、院長1人しかいない動物病院では採用できない選択肢です。2人以上の勤務医がいる動物病院は少なく、大抵は院長1人で医療業務と経営を行っています。獣医師・経営者の適正を両方兼ね備えている内勤医への事業承継が困難な理由は以下の通りです。
- 獣医師・経営者の適正を両方兼ね備えていたとしても、個人債務引き継ぎ保証人問題や相応の資金準備、医療訴訟の際慰謝料請求されるなど負担やリスクが多く、本人が引き受けてくれない可能性がある
- 動物病院の経営権を得るには動物病院を買収する必要があるため、事前に独立開業のための資金を貯めていた勤務医でないと非常に困難
M&Aによる第三者事業承継
近年、M&Aによる第三者事業承継という考え方が中小企業経営者に浸透してきたことを背景に、動物病院でも注目されています。
第三者事業承継は、地域の飼い主に迷惑をかける事なく業界の廃業率を下げ、「譲渡者は動物病院売却代金を収入として得ることができるため老後資金確保」「譲受者は開業して黒字が出る」という双方ともメリットがある継承です。
また、院長がこれまで苦労して運営してきた動物病院について、やる気・資金力・能力のある人物を幅広い候補者から選んだうえで事業承継を行い経営が継続されるため、地域社会への貢献にもつながります。
動物病院業界は新規開院を目指している獣医師や学生が多く存在し、地域社会での動物病院の存続は常に求められており、今後もM&Aによる第三者への動物病院の事業承継は増加していくでしょう。
しかし、M&A仲介会社にM&Aによる第三者事業承継を依頼した場合、依頼契約料・中間手数料などが発生する可能性があります。そのため、M&Aが不成立となるとその費用は無駄な出費ということになってしまいます。
若い獣医師に第三者事業承継しても経営悪化しない理由
M&Aによる第三者事業承継で、若い獣医師が後継者となり動物病院を引き継ぐと、経験不足から経営悪化しないだろうかと不安になるかもしれません。しかし、実際若い獣医師に第三者事業承継を行った場合、経営悪化どころか業績を伸ばしている動物病院は多いようです。その理由は以下のとおりです。
- 動物病院を引き継ごうと考える人物は目的意識が高くやる気に満ちあふれているので、患者から安心してペットを任せられる熱意ある獣医師として信頼を勝ち得ることは難しくない
- 若い獣医師は最新情報に精通しており、最新の知識・療法を施せるため、高評価されやすい傾向がある
M&Aによる第三者承継で動物病院を開業する後継者側のメリット
M&Aによる第三者承継で動物病院を開業する後継者側のメリットは以下の通りです。
既存の設備・人材を活用して動物病院を運営できる
動物病院を始める場合、病院の建築・建て替え費用・設備の購入費用など非常に多くの資金と工事への時間が必要であり、病院の規模によって運営人材の確保も必要です。
しかし、M&Aによる第三者承継を行えば、すでに設備や人材などが揃っている上に、工事にかかる時間も必要なくなり、軽度な労力で動物病院を始めることができます。
既存の患者データが引き継げるため、集客PRに悩まなくていい
動物病院を新規開業する場合、患者が診療に訪れるかは開業しなければわかりません。供給過多が指摘される都市部で開業した場合、多大な費用と労力をかけたにもかかわらず報われない可能性があります。
既存の動物病院はこれまで運営してきた実績に相応する患者数を持っており、よほど後継者に問題がない限り動物医療に通う患者は診療先を変えません。
なので、M&Aによる第三者承継を行えば、患者数を増やすためのPRに悩むことなく、職務である動物医療に専念することができます。
M&Aによる第三者承継で動物病院を開業するデメリット
M&Aによる第三者承継で動物病院を開業するデメリットは以下のとおりです。
動物病院の立地は選べない
動物病院は移転してしまうと、近場だからと通っていたお抱え患者が離れていく可能性が高くなるため、簡単に実行できません。
そのため、好条件の動物病院が事業承継先として見つかったとしても、現在の居住地から離れている場合は、引っ越しをしてまで事業承継するかどうか選択する必要があります。
資金準備が必要
M&Aにおける動物病院の事業承継では、建物・設備・人材・既存患者・歴史・評判など動物病院が持つすべてを買い取り、建物の修繕・設備の入れ替えなどの早期実行が必要なので、相応の資金が必要です。どれだけ資金を準備できたかが成功のカギとなります。
交渉で断られる可能性がある
M&Aによる事業承継の交渉では、売却側が金銭面の条件以上に人格重視で承継の可否を決める傾向が強いです。特に動物病院の場合、獣医師でもある院長は患者と直接触れ合うため、患者と人間的に相性が合うか合わないか、人間性に共感できるかなどを重要視します。
そのため、どんなに資金があり、条件が良くても院長に人間的に気に入られない場合事業承継を断られてしまうでしょう。
動物病院の事業承継はコンサルタントに相談することが大切
動物病院の事業承継を検討している経営者は、売上を最大化するプロのコンサルタントに早めに相談することが大切です。動物病院のコンサルティング実績が豊富であれば、さまざまな事情を抱えた動物病院の売上を最大化できます。
①開業医のための引受開業(株式会社M&Aの窓口)
動物病院の第三者事業承継は、開業の形として事業承継を行う、株式会社M&Aの窓口の「開業医のための引受開業」という選択肢が増えつつあります。
「開業医のための引受開業」とは、開業への理想に近づけるため、後継者を探している動物病院の院長と出会い、経営と運営知識を学びながら、独立開業よりもリスクの少ない事業承継を行うことです。
引受開業とは
引受開業とは、長年経営してきた院長の動物病院への想いや未来の院長への希望と理想などの想いを繋ぎ、地域の獣医療という役割を引受けた開業のサポートをする事業承継の形です。
株式会社M&Aの窓口は、獣医師・中小企業診断士・公認会計士・税理士・社会保険労務士など、動物病院の開業・リタイア・引受・M&A全てに関わる、様々な問題に対して解決する糸口を見つけ提案してくれます。主に以下のような希望を叶えます。
- 事業承継はリタイアの一部であり、信頼できる専門家にサポートしてほしい
- 規模に関わらず地域の獣医療としての役割と、大切な自分の動物病院をよく理解してくれる獣医師に引き受けてほしい
- 繁盛しているとは言えないが、廃業はしたくないので事業承継できる可能性がほしい
参照:動物病院のための引受開業(https://qalstartups.co.jp/ma/)
②メディカルプラザの事業承継
メディカルプラザの事業承継とは、事業承継によって繁盛病院を個人獣医師に譲ることでオーナー経営者を育てるサポートサービスです。
- 売上が3,00万円以上ある繁盛病院を若くて実力のある獣医師(勤務医)に引き継がせる
- 院長は獣医師からハッピーリタイア
- 個人獣医師には新規開業よりも圧倒的優位な経営環境からの開業スタート
事業承継は若い獣医師には一生を決める、大きな決断です。しかし、開業を目指す若い獣医師が現在売上が3,000万円以上ある繁盛動物病院を引き継いで開業院長になれる、大きなチャンスにつながります。
メディカルプラザは承継開業コンサルタントとして10年前にスタートさせ、200件以上の事業承継サポート実績があり、動物病院の事業承継相談先として安心できるでしょう。
繁盛病院から承継依頼が来る理由
繁盛病院から承継依頼が来るのは、主に以下のような動物病院業界独特の理由からです。
- 体力よりも気力、記憶力とモチベーションの衰えを感じ、「いつまでこの多忙な状況が続くのか」と不安になる
- 仕事中心で自分の健康管理が疎かになり、若くして大病になる院長がいる
- 繁盛病院の求人需要は増えているのに、新たな獣医師・看護士が増えず人材不足となり、大多数の動物病院は採用灘になっている
参照:メディカルプラザの事業承継(https://medical-plaza.net/wp/succession/)
まとめ
動物病院の事業承継について解説してきました。以下まとめになります。
- 動物病院の事業承継は親族や内勤医ではなく、第三者の獣医師に事業売却・継承するM&Aによる第三者事業承継を選択するケースが多くなってきている
- M&Aによる動物病院第三者事業承継は、地域の飼い主に迷惑をかける事なく業界の廃業率を下げ、院長・後継者双方ともメリットがある継承
- 事業承継の準備を進めるときは、動物病院に特化した実績豊富なコンサルタントに相談
動物病院に通う患者は地域住民が多く、突然廃業になると非常に困ります。動物病院を1人で経営している院長は、廃業せざるをえない状況になる前にM&Aによる動物病院第三者事業承継のプロに相談することをオススメします。
一般企業と比べて動物病院のM&Aによる第三者事業承継は特殊で専門性が求められるため、動物病院に特化した実績豊富なコンサルタントサービスを展開しているところが限られており、インターネット上で検索するとすぐに出てきます。事業承継は最低3~5年はかかります。この機会に利用しやすいM&Aによる動物病院第三者事業承継サービスを検討し、事業承継の準備を開始してみてはいかがでしょうか。